これは、MIAの語り部であり、実践者である今井清二郎氏が、富岡の青年会議所のメンバーにMIAについての熱き思いをメールでつづったメッセージです。

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雑談が面白い
今日は少々雑談をしましょう。
MIAの中では、勉強会の合間に交わされる雑談が、面白いのです。特に、仲間の経験談などは、自分の行動にすぐ結びつきます。
ここでは、仲間というわけにはいかないと思いますが、これからの勉強会でフリートーキングを時々取り入れてください。
まず、小野さんとの雑談を紹介します。

[ 雑談 その1 情報収集 ]

小野さんは、多量の情報収集をしていました。本はもちろんのこと、雑誌類も10種類以上定期購読していたと思います。
”俺はね、雑誌類がくるとこうやって目次だけ切り取ってファイルしているんだ。”と、言ってデスクの引出しを開けると、そこにファイルがあって雑誌別の目次だけが、きれいに整理されている。雑誌は、全部は読まない。ざっと目を通して、書棚に並べておく。
雑誌にはどの雑誌にもジャンルがあるから、どんな情報は何から取ると決めている。
例えば、中国の情報は『中央公論』から、『日経ビジネス』からは経済指標や企業ランキングなど、といった具合だ。

そこで、論文などを書く場合に、欲しい情報があると、目次のファイルを見て、”中央公論の三月号と、十月号を持ってきて!”と、秘書に言うと、2・3分で欲しい情報が手に入る。

小野さんは、”いつでも取り出すことが出来さえすれば、何も、頭の中に入れておく必要はない”と、言うのだ。なるほどと思った。

[ 雑談 その2 名刺管理 ]

名刺も小野方式で管理をしていた。
皆さんは名刺を何枚くらい管理していますか? 小野さんは、4・5千枚ほど管理していました。

電話で相手と話をしていて、”あなたとは、去年の8月に横浜でお会いしましたね。” などと言って相手をびっくりさせていました。
いくら小野さんだからと言ってそんなに記憶力が良いわけではない。デスクの引出しを開けば、名刺の箱に縦に並べてあり、それにインデックスが付いていて、即座に相手の名刺が出てくるという仕掛けだ。名刺には日付と場所、相手の印象などが書き込まれている。

よく、名刺ファイルブックなどを使う人がいますが、千枚単位以上の名刺管理は、これ以外の方法では無理でしょう。
私も、以来ずーとこの方式を使っています。、
この名刺管理の方法は、MIAプログラムの末尾にあるノウハウカードに収めてあるのでごらんください。
日本JC発行の正規のプログラムです。私が自分の名刺を記念に入れておきました。

[ 雑談 その3 クォーツ時計 ]

時計が常に正確なことは、今では当たり前ですが、MIAの研究会が始まった頃までは、時計というのは時々進んだり遅れたりしていました。クォーツ時計が市場に登場して、一ヶ月の狂いが秒単位になったのです。以来、日本の時計は、世界を制覇しました。
小野さんは、人よりも早く、その時計をしていました。われわれの時計はリューズの手巻き時計でした。

小野さんはその時計を見せながら言います。
”正確な時計を持っているということはね。常に、自分の時間を目いっぱい使い切れるということなんだよ。この時計を持っていれば、一分前に駅に行っても汽車に乗れる。いつも余裕を持って行動できるのさ。仕事だって同じだ。” と、教えてくれました。

[ 雑談 その4 ショルダーバック ]

小野さんは九州の友人が洋服屋で、そこで背広を一着つくった。その洋服屋さんの店には、バッグ売り場もあった。
友人が言うには、”背広のポケットには、ハンカチ程度しか入れてはいけません。背広の型が崩れます。だから、女性は必ずハンドバッグを持つでしょう? 男だってバッグを持つべきなのです。” 小野さんは納得してそこで売っていたショルダーバッグを買った。
皮製のよくJCマンが肩にかけているあのバッグなのです。小野さん以前には男のショルダーバッグは流行っていなかったので、小野さんの影響が今でも続いているのです。

           

以上、小野さんの思い出話を4つほど。
私はもちろん、すぐに小野さんの真似をした。ショルダーバッグは富岡にはなかったので、東京の松坂屋まで買いに行った。
皆さん、真似をするなら一番先がいいんです。一番なら堂々と真似をすることが出来るのです。私が一番に真似すると、同じ仲間は真似しにくいようでした。真似の真似になりますからね。

あまり私が小野さんのことを話すので、ある時、女房が言いました。”小野さん、小野さんと言ってるけど、あなたは小野さんが死んだら、一緒に死ぬの?” つい、”そりぁ、光栄だ” と、冗談に言ったら、本当に小野さんが亡くなってしまった。これだけは真似が出来なかった。

[ 雑談 その5 ベストセラー ]

つい最近、ほとんど同時に同じ本をプレゼントされた。
一人は、マンナンライフの鶴田社長、もう一人は、イエローハットの掃除道の創立者・鍵山秀三郎氏。

本のタイトルは、『チーズはどこへ消えた?』
アメリカで2年間ベストセラーを続けた本だそうです。今、日本でベストセラーとなっていますが、もう読みましたか?
著者のスペンサー・ジョンソンは、医学博士で心理学者、心臓のペースメーカーの開発者でもあります。
ストーリーは、寓話で、子どもが読んでも面白い物語ですが、人生経験があればあるほど教訓が読み取れるようになっています。
ベストセラーになっている理由は、企業経営者や自営業者、サラリーマンなどの今苦しんでいる人たちが共感できるからではない
でしょうか?

物語は、二匹のねずみと二人の小人が、迷路の中にある『チーズ』を探す話になっています。
ねずみは鼻が利き、動き回る行動力を持っていますが、複雑な思考はなく、単純さを象徴しています。
小人は、人間の知恵を持っているばかりか、過去に囚われやすく、未来を想像して恐怖感にとらわれます。そんな複雑性を象徴
しています。
二匹のねずみと二人の小人は、迷路を探し回った挙句、チーズのいっぱい詰まったチーズ・ステーションを発見します。
そこで毎日幸せな時を過ごします。

しかし、どんなにあっても、毎日たらふく食べていたので、チーズはいつまでも続きません。やがて、底をつく日がきます。
単純なねずみは、なくなれば何の疑問ももたず、次のチーズを求めて迷路に出て行きます。
複雑な思考の小人は、チーズがなくなったことさえ認めません。失望し、腹を立て、なぜなくなったのか、議論を続けています。
それに、複雑な迷路で次のチーズが見つかるか、もうチーズはないのではないか、絶望しています。次の一歩が出ません。

小人の中でも、一人は状況の変化を前向きにとらえることが出来る人、もう一人は、急激な状況の変化に身がすくみ、ついに行動に
取りかかれない人のパターンがあり、この対比が大きな教訓となっているのです。
結局、積極的に行動を起こした一人の小人は、自らに大きな教訓を残しながら、新しいチーズステーションに辿りつきます。

簡単にストーリーをあげましたが、一冊の本には、この間の心の動きや、状況判断、行動原理、教訓などが豊富に出てきます。
また、日本の現状がこのストーリーに良く似た状況なのです。今まで豊富にあったチーズがバブルの崩壊後、なくなってしまったのです。
日本人はチーズがなくなった恐怖で、混乱して、議論ばかりしています。今は、議論しているより、目的に向けて厳しい状況の中で行動すべきときにあるのではないでしょうか? そんな教訓があるからこそ、この本は売れるのだと思います。

この本には、物語のほかにも重要にパートがあります。それは、この物語を聞いたクラス会のクラスメートが自分たちの経験を背景にいろいろな感想を述べ合うページがあります。その議論もこの本の解説的な部分になっているのです。
本は、小冊子でページ数は少ないのですが、読めば読むほど、いろいろな教訓を得られるようになっています。
繰り返し、繰り返し、読んでほしいと言っています。だから、ストーリーを人に教えても差し支えない本なのです。

まだ、読んでいなかったら、ぜひ読んでみてください。少々おせっかいなことですが。
感想、メールでくださいね。      では、また。                         
4月7日   今井清二郎  
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