21世紀のものの見方考えかた
成熟も発展だ。目指せ、成熟期型の企業パターン  
 
このコーナーは3月22日の今井清二郎氏の講演をまとめたものです。
(文責 kurimoto@soeinet.or.jp
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時間をかけて

生々流転は世の流れ
ロイヤルに学ぶ
小さな努力で大きな成果!?
すばらしい人間の四つの共通点
         
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今世紀の日本を振り返ると、戦争と経済の世紀といえる。前半の50年は人類史上初めての世界規模での大戦を経験した。又、後半は敗戦からの経済大国へ、経済復興と経済発展の50年であった。特に昭和60年以降は(余った)お金が土地・株・会員権等に集中し、日本経済はバブル期を迎えた。そして、バブルは崩壊した。

 

ロイヤルに学ぶ

自動車用品の販売をしているロイヤルという会社がある。同じ売上げの同業他社に比べてダントツの利益を出している。しかもこの会社は、営業しない、宣伝しない、見積もりを出さないという会社である。なぜ、この会社がこういう仕事の仕方をしていてダントツの利益を出せるのか?それは、この会社が「信用」を大事にしているからである。その信用とは、「いくつでもお売りします」ということだ。実は問屋にとって「いくつでもお売りします」という事は通常はもっとも流通コストを上昇させる不効率なことなのだ。一個でも、二個でも注文があれば必ず届けるという仕組みは、実は最も厳しい商売の仕方だったのだ。この事が納入先に信用され営業しない、宣伝しない、見積もりを出さない仕組みが作れたのだ。信用というもう一つの売り物が見直されている。
もう一つ大事な事は、「平凡な事を非凡に勤める」事だ。誰でも出来る平凡なことでも、誰でも出来ないくらいに続ければ非凡に至る。そのために、凡事徹底が重要だ。
         
   

生々流転は世の流れ

ここでMIAの「生々流転」の原則を思い出して欲しい。つまり会社は[生成期]−[発展期]-[成熟期]-[衰退期]-[再生期]のパターンをとる。もちろんそれぞれの期を迎えることなく消滅していく企業がある事は言うまでもない。この原則から導き出されることは、どの企業も、同じ期にとどまれないという事である。
以前に一枚の紙を50回、二つに折り続けるとどのくらいの厚みになるかという話しをした事がある。そう、50回折り続けると月よりもはるかかなたへ到達する距離の厚みになる事が分かる。だから、実際には50回も紙を二つに折り(倍倍と成長を)続ける事は不可能である。
現在、日本経済はGDPで約550兆円である。ちなみにドイツとイギリスとフランスを合わせたGDPはどれくらいかというと約526兆円である。中国にいたっては約60兆円である。今の日本が東南アジアのように10%に到達しようとする経済成長を続ける国々のような経済成長をまねる事が無理な事は、紙を50回折り続ける事が無理なように無理なのである。成長はいつか限界が来るのである。

  小さな努力で大きな成果!?
それから、これまではいかに手間を省くか、というものの考え方が合理的だった。しかしこれからは逆にいかに手間をかけるか、が重要になってくる。手間のかからない、手間を省いた大量生産は海外の方が強いし、得意だ。
ものの考え方を切換えなくてはいけない。いままでは、「小さな努力で大きな成果を得る」事がよしとされた。しかし、この考えは「運がいい」「時代に乗る」時に生じる現象でもある。しかしこれからの時代は「大きな努力で小さな成果を出す」という地道な道を歩むべきである。それが結果として最も効率的な道になろう。 凡事徹底とも関連があるが、BIG SUCCESS COME FROM SMALL SUCCESS.(A Big Success comes from Small Successes.??(^^;)) という言葉がある。つまり、小さなことの積み重ねが大きな成功につながる。だから、小さな事でも信じてやる,すぐ出来る事はすぐやる事が大切だ。
         
   

時間をかけて

ここで重要な事は、成長率の低さを嘆き、不安に浸る事ではない。「生々流転」の原則の話しでも分かる通り、「今日本は成熟期なのである。」トマトでも成長が止まってすぐに収穫するわけではない。成長が止まったあと、熟す時期がある。この時期にトマトが美味くなる。日本経済も、このトマトのように今が熟するときである。内部充実するときである。そして、成熟期型の企業をつくることである。
いままでは、売上げも毎年伸びた、伸びたなりにお金も使えた。これからはなかなかそうもいかない。まず使える金額を決めてからそれに体を合わせていかなくてはいけない。そして、お金が無いなら、時間をかけてやる事だ。あきらめずに今まで3、4年でやっていた事は、5年10年かけてやればいい。時間をかけてやることが大事になってきている。
  すばらしい人間の四つの共通点
最後に、すばらしい人間の四つの共通点を述べて終わりにしたい。
(1)本を読んでいる。
(2)手紙を書いている。(しかも早い)
(3)行動がすばやい。(ぱっぱと決めて行動してしまう)
(4)配慮が行き届いている。(配慮が細かい)

群馬県立自然史博物館の進化の歴史の展示を見ていると、バクテリアも、トマトも、雑草も自分の意志と進化の秘められた力を持っている事を知らされる。なかんずく、人間は無限の能力を持っていると感じざるをえない。あとは、努力次第である。努力によって無限の能力が開花しはじめる。
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