自然農法で栽培した菜の花から作るなたね油

昔ながらの製法にこだわり、安心、安全、おいしいをお届けします

油のこと

たねまき 原油

 菜の花プロジェクトin甘楽では、甘楽町の遊休農地に菜の花を植えて収穫した菜種から油を作り、使用した後の廃食油は回収し、バイオディーゼル燃料として精製、トラクターなどの燃料として使っています。搾った油で作った菜種油は1リットル1350円で販売しています。純国産菜種油の値段を調べてみるとこれでも全国では安い方でしょう。300ミリリットル1000円以上で販売している所もあるようです。しかしスーパーに行くと750ミリリットル230円とか、およそ我々には考えられないサラダ油が売られています。どうしてこんな値段で食用油ができるのだろうと調べてゆく内に、驚くべき日本のメーカーの油の作り方や食文化の実体が分かってきました。このページは日本の油メーカーがいかに危険な油の作り方をしているかを知ってもらい、安心安全で健康的な食生活を油を通して行ってもらいたいとの思いでまとめたものです。

 現在菜種の自給率は0.1%以下。外国から毎年200万トン以上の菜種が入ってきます。その90%がカナダ産で、その多くが遺伝子組み換えしたキャノーラです。遺伝子組み換えのため、除草剤(アメリカ・モンサント社のラウンドアップ)を散布すると雑草は枯れても菜種は枯れないので、多収量に粒ぞろいの菜種が収穫できるのです。

 私たち菜の花プロジェクトが目指すのは資源循環型の社会の構築ですが、食とエネルギーの地産池消を掲げています。それはもちろん安心で安全でおいしい食でなければなりません。今までの取り組みで、甘楽町では廃食油の回収が行政の仕事として定着し、小さいながら資源循環社会のモデルができました。この上はさらに一歩踏み込んで、少し値段は高いけれども安心できる食材を選んで豊かに生活するというライフスタイルを油を通して提案してゆきたいと思っています。

※当サイトの一般に売られている油等の写真や記事はメーカーがホームページで自ら公開しているものや、客観的事実に基づいたものです。

菜の花を通した循環型社会を目指して

菜の花を通して循環型社会

油の種類

動物性油(ラードなど) 常温で個体(ココナッツ油、やし油なども)

飽和脂肪酸(組織が炭素が飽和する形状を持つため酸化しやすい)を多く含む

必須栄養であるが取りすぎるとコレステロールが増えて動脈硬化、肥満、糖尿病など誘発

現代の食生活では取りすぎの傾向


植物性油 不飽和脂肪酸(炭素が飽和でないため酸化しにくい)

オメガ6系脂肪酸 リノール酸を含む 大豆油、コーン油、サフラワー油、菜種油

人間の体内では合成することができない栄養素であるため、食品からとる必要のある必須

取り過ぎはアレルギーを誘発する

オメガ3系脂肪酸

海藻、シソの実、エゴマ、魚介類(DHA)(養殖は海藻食べないから効果は期待できない)、亜麻仁油など

血中の中性脂肪を下げたり、不整脈を予防したり、血液をさらさらにして動脈硬化を防いだりする


植物油に多く含まれるオレイン酸

1.血液中の善玉コレステロールを上げて、悪玉コレステロールを下げる効果がある

2.動脈硬化の予防に役立つ


リノレン酸

1.心臓病や脳血管病を防ぎ、血中のコレステロールをコントロールする

2.血液をさらさらにし、血圧を下げ、心臓病や脳血管病を防ぐ働きがある

3.アレルギーやガンの発生を抑える

4.脳、神経系の発達や働きにも重要な役割を果たしており、欠乏するとぼけや痴呆に関与する

5.リノレン酸は熱に弱い ドレッシングとしての使用には最適最高

脂肪酸 オレイン酸 リノール酸 リノレン酸
サフラワー油 8〜25 60〜80 0〜1
ヒマワリ油 15〜35 50〜75 0〜1
大豆油 20〜35 50〜57 3〜8
トウモロコシ油 25〜45 40〜60 0〜3
ゴマ油 35〜46 35〜48 0〜2
ナタネ油 46〜59 21〜32 9〜16
オリーブ油 70〜85 4〜12 0〜1
パーム油 37〜50 7〜11  

※以上の油の性質はあまり高温にしないでなおかつ搾油機械で搾ったもの

かんらの里 菜種油のできるまで

菜種油ができるまで

精製過程では化学処理や薬品を一切使わず、手づくりで仕上げていますので、油に含まれる脂肪酸やビタミンなどがそのままです。 つまり、上記の成分表が適応できます。

一般的な商業用油(サラダ油など)の作り方

世界各地から油の原料になる種をほとんど輸入しています。国産菜種は0.1%以下。90%はカナダからでその内の80%が遺伝子組み換えキャノーラと言われています。もちろん化学肥料と除草剤いっぱい使っています。 そうして日本に来た油の原料はメーカーへ。

ここでは大手メーカーのwebサイト上で公開されている食用油の生産過程に沿って、問題点を指摘していきます。

1.抽出

まず最初は大きな搾油プラントで搾るようです。残った絞りかすをノルマルヘキサンというベンジン用の薬品に溶かし込みます。ノルマンヘキサンは比較的強い急性毒性があり、多発性神経炎、肝機能障害といった慢性毒性も指摘されています。
ノルマンヘキサンなどの加工助剤は、最終的に食品に残らないよう除去が義務づけられていますが、完全に除くことは不可能だと指摘されています。
油分の少ない大豆はいきなり薬品で抽出します。
抽出後のカスはなんと醤油メーカーに行き「脱脂加工大豆」の名前で醤油の原料となり、このような原料で作っているにもかかわらず、本醸造のラベルが貼られます。

※ノルマルヘキサン…灯油やガソリンなどに含まれる。ベンジンの主成分

2.脱ガム

原油にはガム質やリン質が含まれています。この澱を取り除くのにリン酸、クエン酸、ショウ酸などで除去します。
日本の老舗の菜種油マーカーでは酢を使って澱を取っているところもあります。(その後湯洗いで酸をなくします)

3.脱酸

酸性の原油をカセイソ−ダなどでアルカリ処理を行ない中和させます。

4.脱色

漂白剤として、活性白土という土を加えます。
これは研磨剤などの原料にもなるものです。

5.脱ロウ

沈殿プラントでロウ分や固形物を取り除く工程のようですが、ここで使う薬品には触れていません。

5.脱臭

(臭いのある油は敬遠されるのでしょうか。メーカーではわざわざ油の香りを消しています)
230度〜240度の温度の高温水蒸気で処理します。
かつてはPCBが使われたこともあります。
このPCBが製造中の油にもれ、数多くの中毒患者を出したのが、有名なカネミ油症事件です。
現在はPCBは使われていませんが、カセイソ−ダなどいろいろな劇薬が使われています。
こうして、化学的に精製された油ができあがります。高温のために必須脂肪酸が壊れてトランス脂肪酸ができてしまいます。
出来上がった一般的なサラダ油は、栄養も失われ、味も風味もなくなった油が大量生産、短時間でのコストダウンでスーパーで安く販売されます。
さらに危ない業務用油

飲食店や惣菜屋などで用いられる業務用植物油や、スナック菓子、インスタントラーメン、ケーキ用のクリーム、コーヒー用のクリームなどなど、様々な加工用に用いられる油です。

業務用サラダ油、原料は遺伝子組み換えのダイズなどと予想。 18リットル4500円

業務用植物油は、さらにコストをさげるために、家庭用に用いられるような菜種油や大豆油ではなく、安価なパ−ム油やヤシ油を原料にしています。 ところがこれらは臭いも色も強いため、本来は食用に値するものではありません。 そこで一般には家庭用の油よりさらに強い化学的精製がされています。さらに食感を良くするために、消泡剤としてシリコーンを使っています。 

トランス脂肪酸とは

 植物性の油などを製造する際、液状の不飽和脂肪酸を固形化するために水素添加を施し、飽和脂肪酸へと変化させる過程において発生する物質です。この水素添加したものは、トランス型という天然にない構造になります。
 このトランス脂肪酸は、

1. 身体の細胞の細胞膜の中に入り込み、細胞膜及び細胞の働きを狂わせます。
2.体内でビタミンなどの栄養物質を食い荒らします。
3. 悪玉コレステロールを増やし、心臓疾患、免疫機能、発ガン、痴呆の大きな原因にもなります。

 体に害をもたらす「狂った脂肪酸」なのです。

 脂肪を多くとる欧米では、トランス脂肪酸による健康への悪影響も日本より顕著に現れています。

 消費者の認識度も高く、各国政府も販売禁止を含めすでに対策を立てています。

 日本の対応は、「諸外国ほど日本人はトランス脂肪酸を摂取していない」という理由で、問題視していないのが現状です。

 一番トランス脂肪酸含有量が多いものにマーガリンがあります。

遊休農地対策として

 甘楽町の遊休農地に菜の花を植えて収穫した菜種から油を作り、使用した後の廃食油は回収し、バイオディーゼル燃料として精製、トラクターなどの燃料として使う資源循環型社会の構築を目指しています。
 平成7年にNPOから出発し、平成25年に農業生産法人となりました(平成7年〜9年、群馬県菜の花エコプロジェクト推進モデル事業)。