廃食油回収の取り組み


  1. ■■■ 廃食油回収の取り組み

     BDFは、植物由来燃料のため植物の成育過程でCO2を吸収し生育しているためエンジンからCO2を出して も増えることに当たらないと考えられております。又、軽油に比べ1割程CO2の発生を減らすことになる とともに、硫黄酸化物の排出がありません。大気が汚染されないクリーンなエネルギーとして注目され ています。  私たちは会発足以来、早速会員や町の食堂関係、事業所などにお願いしまして独自に廃食油の回収の 取り組みを行ってきました。およそ月に20リットルほどの油が集まり、そして自分達の動かすトラクタ ーにBDFを使って行こうということで回収後は玉村町の環境リサイクルサポートに精製を依託し、実際に トラクターに100%BDFとして使ってみました。軽油と違って天ぷらの臭いがして、順調に動きます。  その後私の住む甘楽町21区の協力で区全域から月に一度、分別収集の日に家庭から廃油を持ってきて もらいう形でやってみましたら、4月?10月の7ヶ月間で、105リットルの油を集めることが出来ました。 この取り組みは、町の環境衛生の関係者も視察に来てくれて、平成20年11月から町全体で集めるように なり、甘楽町では給食の配送車にBDFを使っていくこととなったわけです。現在月に400リットルほど集 まっているということです。

     ちなみに、群馬県内では廃食油がどのくらい発生しているかと言いますと、表のように全県でドラム 缶3350本が出されていると言うことです。

     県内では徐々に廃食油の回収を行う自治体や団体が増えてきまして、環境リサイクルサポートも現状 の設備では、集まる油の処理が追いつかない、また、補助金などもなしに独力で回収事業、BDF製造を行 っていて、資金も大変と言うことで、理事長の須藤さんと、私が中心になって、農水省の補助事業であ ります。
     バイオ燃料の実証事業を申請し、昨年度から準備を進めて、何とか近々藤岡に敷地を確保し、新しい プラントを建設して稼働させる計画を進めております。
     このBDFプラントができますと、群馬県でのCO2削減の取り組みが一層前進する事になりますし、例え ば、まだ決まってはいないのですが、わたらせ渓谷鉄道のディーゼルエンジンをバイオディーゼルで走 らせるとか、尾瀬のバスに使うとか、フラワーパークの園内の自動車をBDFで走らせるなどのアイデアが あります。これから様々な広がりが期待できますので、富岡市でも油の回収をぜひ全市で取り組んでみ てはどうかと思っています。





  2. ■■■ 菜の花油で採算を取るために

     これまで5年間菜の花に取り組んで来ましたが、一番の悩みの種は、まだまだ赤字であるということです。
     最初の3年間は県からの補助金が出ていましたので、少しは良かったのですが、今はやっぱり大変なんです。いっぱいお金をつぎ込みました。何にお金がかかるかというと、元々農家でありませんから、農業機械が無かったわけですね。それで、機械を持っている方にたのんでトラクターをやってもらったり、畑が増えてきてからは、やはり自分でトラクターに乗って作業しなければと言うことで、トラクターのある農家から借りて使ったりしました。しかしやはり手元にいつでも気兼ねなく使えるトラクターが欲しい、畑に行くには物が運べる軽トラックが必要、耕耘機も必要、あれこれのこまかい物も必要ということで、全部私が今まで自腹で機械をそろえて来た訳です。

     1昨年25万円でポンコツのトラクターを買って、皆さんにカンパもしていただきましたが、半年使ったところで壊れてしまい、修理にまたお金がかかり、やっぱり安物買いはだめですね。
    こんなトラクターじゃだめだということで、昨年何とか50万円の中古のトラクターを買いました。今のところ順調に動いていますが、先日ちょっと修理の必要な箇所がありました。
     この油は1300円で売っているんですが、経費が労働力抜きで約500円かかってます。
     残った800円で労賃とかを出すわけですが、なかなか私の給料は出てこないで、機械を買うお金になっています。
     で、来年からは、大きな金額がかかる出費も予想されませんので、5年たって、やっと農家並みになったということでしょうか。
     来年は大きい油が800本、小さいのが700本弱出来ると予想していますが、そうしますと90万売れて、経費を引いて600000円残りというたぬきが喜ぶ計算をしている次第です。

     まあ計算ではこうなって黒字なんですが、実際どうなるか天候次第、機械も順調に動き、油が売れてはじめてなんぼですから分かりませんが、なんとかこれに近づけこれ以上になるように努力するしかないと思っているところです。





  3. ■■■ すばらしい仲間に囲まれて

     さて結びとなりましたが、この取り組みをやって来て何が一番良かったかと考えてみますと、個人的には農業に体を使って、よく眠れるとか、ビールがうまいとか、汗をかきますので毎日お風呂に入らざるを得ないので体が清潔になったとかあるんですが、やはり、多くの人と関わって、古くからの友人とのきづな、新しい知り合いが増えて、友だちという財産が増えたことだと思っています。

     まず畑の持ち主の方々ですが。おじいさんが亡くなって畑をやる者がいなくなって困ったとか、永年貸していた畑を返されて、草ぼうぼうになって困ったとかですね、農業では何を作っても食べて行けないので、若い者は、会社勤めで手一杯という人がいかに多いか痛感します。
     私どもで畑を使わせていただいて、油が出来たときに挨拶に伺うと、向こうの方から感謝の言葉をいただいたときはうれしいものです。中にはもう少し畑の周りの草を何とかしろと叱られる場合もあります。
     最初の頃、借りていた小さな畑ですが、収穫の後しばらくそのままにしておいたら、草が30センチ位になって、その方は今まで生きてきて俺は畑に草をはやしたことは無いんだときつく言われたこともありました。農家の誇りというか、近所への気の使い方というか、そういったことが農家にとっては大切なんだと思い、まあ、そう言うことも激励の一つだと考えてめげずに、仲間にぐちりながらやっている次第です。

     それから、油を販売してくれている方々にも感謝です。この油はほんとに良い物だからと仲間にすすめてくれる人や、お店や事務所に油の販売コーナーを作って注文をとってくれる方とか、私の知らないところで、少しづつ広がっているのを感じます。
     さらに、環境や食料の取り組みをしておりますので、いろんな団体や会の皆さんとの接点が生まれています。県の環境カウンセラーの方々とはうちのメンバーにカウンセラーがいらっしゃる関係で知り合いになりまして、来月は甘楽町で菜の花サミットを一緒に取り組むことになりました。また生協パルシステムの方々とも仲良くなりました。パルの皆さんが今年から立ち上げて進めている菜の花プロジェクト。吉井の方で、まだ規模は小さいですが一歩を踏み出しています。これからも共同でやって行けたらと考えています。
     そして何より、菜の花プロジェクトに関わってくれている会員、ボランティアの皆様、毎回作業日にカレーを作ってくれる婦人部の皆様、もう少しで黒字展開ができそうですので、これからも菜の花をがんばっていただき、おいしいお酒を飲んで楽しく仕事をしていきましょう。

       このあいだ、強矢は何の仕事をしているのか分からないと言われたとうちの奥さんが言ってましたけど、何とか本業も回しながらみんなに迷惑をかけながらやっています。
    勝手に好きなことをやって、と奥さんは思ってるでしょうが、私と結婚したのが災難と思ってご理解下さい。私はうちの奥さんと一緒になれたのが一番の成果だと思ってるので。

     長い話をしてまいりましたが富岡市でも誰かが菜の花を立ち上げて、一緒にやっていけることを期待しています。この間トラクターを修理に来たおにいさんは、60過ぎの定年で退職した人がそこの農機具の会社によく来ると言ってました。定年に成った人は必ず農業してますよと言っていました。少しでも興味がある方は連絡頂ければノウハウを教えますのでよろしくおねがいします。