金属の表面の錆、溶接スケール、溶解スケール、不動態皮膜、熱処理皮膜等を除去する工程。
一度洗っても、さん洗という。いくら、十二分に脱脂洗浄しても、酸洗をしないと密着の良いめっきは得られない。私たちに業者にとって、廃語にしてもらいたい(製品上ではすでに廃語である!)、「めっきがはげる・・・」という現象の原因の一つ。(めっきとは、本来その金属等が持っていない機能の付与である)
- 鉄系
- 塩酸や硫酸の水溶液が用いられる。塩酸のほうが、使いやすい。しかし、臭い、腐食性が硫酸浴よりも強いため、あえて硫酸を昇温させて用いる場合もある。酸電解にするばあいは、硫酸を用いる。
- ステンレス系
- 硫酸、硫酸−塩酸、硝酸−塩酸、硫酸−ふっ酸−クロム酸、硝酸−ふっ酸−塩酸、硝酸−ふっ酸、硫酸−硝酸−ふっ酸の水溶液を加温もしくは常温で用いて、スケールをとる。
- 銅・銅合金系
硫酸、硫酸-クロム酸、硫酸−塩酸の水溶液を用いる。
- その他
- 脱脂洗浄もそうであるが、酸洗浄は、素材によって処理が異なる。洗浄性の向上、生産性の向上のためには、生地を傷めない範囲で強力な薬剤がいい。そうすると、鉄系の薬剤は、銅系の製品には強すぎて、生地がおかされてしまう。従って、素材によってめっきの前処理ラインは異なる。鉄の素材が流せる専用ラインに、鉄と同様の条件で銅・銅合金の品物を流すとうまくいかないことが多い。